2019年02月27日

 

2月16日に行われた石巻2025会議 第5回 「コミュニティ」についてレポートします。

今回は前半に池月サポートセンターの高橋一夫さんを特別ゲストに迎えて、池月での取り組みをご紹介いただき、後半にいつものように参加者の皆で議論を行います。

まずは高橋さんによる池月での取り組みのご紹介から。

 

 

池月は大崎市岩出山池月という地域で、年間365万人が訪れる場所です。都市部とのアクセス性がよく、色々な場所へ行く中間地点としても利用されます。現状は人口が1400人を切り、高齢化率が43%となっています。世帯数はあまり減っていませんが、空き家が増加しており、小学校も合併してしまったために一校が未だに廃校となっている状況です。

 

池月サポートセンターは池月の組織がいくつもあり、複雑化してきたことが成り立ちでした。地域の問題解決のため、ワークショップを何度も重ねていくつもの問題を解決してきました。特に面白かったのは小学校の運動会が盛り上がらないということと、避難訓練の参加率が悪いという問題をかけ合わせた防災訓練型運動会です。朝は避難訓練から始まり小学校へ集合。運動会は大声で火事だと叫ぶ、防災よりの内容になっていたり、非常食として備蓄されているもので賞味期限が迫っているカレーを提供したりと様々な課題を同時に解決することへと繋がりました。

 

活動を続けるなか、立ち上げ当初は複雑化してきた組織を統合してスリム化することが目的でしたが、組織自体は互いに干渉しているわけではなく、これまで通りでいいということがわかって来ました。見えてきた問題は共通の事務局としての担い手がいないということです。ここで統一の事務局を定めました。そうして池月地域づくり委員会が生まれました。様々な親交会の代表から構成されており、イベント開催型で色々なことを行って来たものを、課題解決型の活動へ転換することを決めました。東日本大震災でも大きな被害こそありませんでしたが大きな恐怖を経験。このままの状態でいいのかという意見から、毎年3月に話し合いを設けることにしました。

 

この他にも市の指定管理を受けて公民館の運営も行っていたり、道の駅のステージショーの運営、各集会所でのイベントも行っています。公民館だよりを発行し、広告掲載もしっかりと行っているそうです。

 

また、池月お助け隊として、有償ボランティアのマッチングも運営も行っています。主には高齢者の自宅周りの除雪や除草サポートや、歩くのが危ない場所に手すりをつけたり、家の雨樋を修理したりなどを行います。予め協力できるという方に登録してもらい、その方を助けてほしいという方とマッチングしていくというシステムです。お助け隊への登録者は定年退職をされた方が多いそうで、やることがなくなってしまってからこういった場所があるとありがたいという声も多いそうです。

 

ここまでお話いただき、高橋さんの活動紹介は終了です。後半に入る前に30分の休憩兼ディスカッションタイム。今回もカフェ蓮さんの美味しいパンとスープのセットが販売されました。

 

 

それぞれ熱くディスカッションが続くなか、石巻2025会議は後半に入ります。ここからは高橋さんも交えて、全体ディスカッションが始まります。

今回も石巻でコミュニティを主に扱う皆様に登壇いただきました。

 

登壇者(敬称略)

松村豪太:一般社団法人ISHINOMAKI2.0
阿部拓郎:一般社団法人ISHINOMAKI2.0
横山翼:一般社団法人りぷらす
落合孝行:フリーランス/一般社団法人りぷらす
佐藤尚美:一般社団法人ウィーアーワン北上
西村真由美:上釜を愛する会
松下嘉広:フリーランス
谷祐輔:石巻市社会福祉協議会

 

それぞれから自己紹介をいただき、ファシリテーターの松村さんから話題が登壇者に振られます。

 

 

最初に振られたのは、コミュニティを議論するときはなぜか人が集まりづらいということ。そしてそれは誰のためのコミュニティなのかということを改めて問いかけました。二拠点でコミュニティづくりをしている松下さんは、地元である岐阜での活動は完全に自分のために行っていて失敗してもそれまでだと思ってやっているが、石巻での活動は自分だけのためにやっているという意識ではないといいます。また、観覧者からはどこかの地域コミュニティを作っていて、その地域のゴミ拾いなどはよく行うが、いざ自分が住む地域ではどうかというとなかなかすることはほとんど無く、その壁はどこで生まれるのだろうかという疑問も浮かんできました。

 

話題は弾み、一人の住民として地域コミュニティを作って行くには相当な覚悟が必要だったという意見が出てきます。病院や買い物も他の地域に行ってしまえばなんでも揃ってしまう時代、なぜこの地域でやっているのかという疑問や、自分がコミュニティづくりをしていく中で失敗しまったらもうその地域で生きていくことができるのだろうかという疑問を抱えた方もいました。その意見に対し、高橋さんは地域自治に失敗は存在しないと語ります。どう転んだとしても動いてみないことには始まらないし、どうやってみても経験から地域自治につながるとい言い切れるので、あまり気にせずやってみるといいという言葉がありました。その言葉には参加者も納得し、なにか答えを得たような表情に変わりました。

 

今回もグラフィックレコーディングが行われました。

 

次回の石巻2025会議は最終回となり、これまでの振り返りを行います。
3月2日(土)、14時からIRORI石巻で開催されます。ぜひご参加ください。

https://www.facebook.com/events/2331919443491617/

 

2019年02月26日

イシノマキオモシロ不動産大作戦の第4回をレポートします。

今回も講師はオモシロ不動産大作戦でおなじみとなった花屋さん。最後の事業のブラッシュアップをしていきます。

 

今回は参加者と関わりが大きく、大村康平さんの卒業研究の発表から始まりました。テーマは”被災から7年後の震災アーカイブを通した体験の共有”です。

 

 

このテーマに設定した理由は、”被災し今苦しんでいる人に震災体験を記録したものを届けることで、苦しんでいるのは自分ひとりじゃないことをしってもらい、前向きな気持になってもらうため”と語ります。東日本大震災を経て、被災からすぐに体験を共有できなかったという方も多くいることもあり、当時語れなかった体験や落ち着いたからこそ共有できる体験が多くあったそうです。7年経った現在、なぜ体験を共有してくれたのでしょうか。それぞれ、震災当時は感情的に辛い面が多く、誰とも共有できない場面が多かったそうです。体験を初めて共有してくれた人は、自立できたから・自立できる目処がたったから、時間が立って落ち着いてきたからという方が多くいらっしゃいました。自分の体験を共有して、他人の体験の共有も受け入れることで共感が得られ、気持ちが楽になったという方も多かったそうです。さらにこの体験を他の方が被災したときに活かしてほしいという意見も多くありました。

 

 

この取り組みを継続していきたいということで、実際に北海道厚真町で受け入れをしてくださった花屋さんからアドバイスがありました。まずは続けて行くにはある程度の仕組み化が必要だということです。そうしておかないと、1回目はなんとか行けるかもしれないけれど、2回目以降も毎回プランして届けに行くとなるとかなりの負担になってしまうとのこと。まずはもっと気楽に、事が起こってしまったら行ってみたり、思い立ったら行ってみたりという取り組みの仕方がいいのではというアドバイスもありました。特に意識してほしかったというのは、自分がやる領域を決めてしまうとそこから出た瞬間にいっぱいいっぱいになってしまうので、しっかりと余白を持ってやれるという点です。

大学での成果発表はこれからで、整理がついていなかった場面にアドバイスをもらい、これからの関わり方にもいい影響があるのでは無いのでしょうか。

 

ここからは事業ブラッシュアップ。前回からの状況を各自から花屋さんがヒアリングします。実は、参加者の皆さん全員がもう実際にアクションを起こしており、助成金を獲得できたり、地主との交渉に成功したりと非常に大きな進歩がありました。さらに的確に深く掘り下げながらヒアリングをしつつ、やりたいことへの方向性を更に芯のあるものにしていき、今回の内容は終了。

 

 

終了後も事業者たちの話は途切れず、熱量は高いままに懇親会に移りました。

参加者が温めてきた事業については3月9日に行われる、ローカルベンチャー発表会にて参加者が発表を行います!
13時からIRORI石巻にて行われますので、ぜひローカルベンチャーの成果を観にいらしてください。

 

 

2019年02月19日

 

1月26・27日に行われた”とりあえずやってみよう大学課外授業~フィールドワーク~ “、2日目の様子をお伝えします。

 

 

2日目は参加者が泊まっているFUTABA INからスタート。第1回で講師をしてくださった吉澤先生(名前要確認)の日本カーシェアリング協会へ向かいます。歩いて10分程度の場所でしたが、歩きながらも昨日の振り返りが絶えませんでした。

 

 

フィールドワークからの参加者もいるので、まずは吉澤先生から簡単に活動紹介をしていただき、その後は実際にカーシェアリング協会で貸し出している車に乗って利用されている現場に向かいました。

 

 

その後はまた拠点にもどり、活動を細かく説明していただいたり、コミュニティ活動についてお話をいただきました。

日本カーシェアリング協会を出た後は、昼食と見学を兼ねて石巻元気いちばへ。美味しい昼食をいただき、様々な物産を見て回りました。

 

 

その後は巻組オフィスにて、全体の振り返りセッション。このフィールドワークを経て得たことや感想などを1日目の振り返りのようにシェアします。

 

 

そして、とりあえずやってみよう宣言。この2日間を通して、次のステップとして何をするかをそれぞれ宣言をしていただきます。

それぞれ全く違う宣言を行い、次のステップを確定させ、校長から最後のまとめのことがを頂き2019年度のとりあえずやってみよう大学は終了しました。

 

 

今年度も好評だったとりあえずやってみよう大学ですが、来年度も開催予定です!詳細は4月頃に公開予定ですので、もうしばらくお待ち下さい。

2019年02月13日

 

 今回は、 1月18日に開催された、石巻2025会議、歴史・文化編の様子をご紹介いたします。

石巻2025会議は石巻の地域の未来を地域の皆で考えるイベントです。今回のテーマは「文化・歴史」地域に取って文化は普遍的な財産です。関わりあいのある方々が集まり、これまでの文化を振り返りながら今後の石巻の文化のあり方(育み方)をどのように行っていくかを語り合います。

今回も石巻で活躍されている方々が多く参加されていました。

 

 

 まずはこの石巻2025会議をプロデュースしている合同会社デザインナギの三上さんのオープニングから始まりました。今回もグラフィックレコーディングを行いながら議論を進めていきます。グラフィックレコーディングとは議論の内容を議事録のようなテキストだけで書き残すのではなく、議論の内容をわかりやすい挿絵と共に残すことより感覚的に議論内容をつかめるような高度な記録方法です。

 

 

まず、石巻アーカイブの菊田さんから震災前の歴史や文化を共有していただきました。

特に石巻で特徴的であったのは映画館が栄えていたと話します。全盛期では石巻には6館もあり、お芝居も盛んで歌舞伎などほとんど満員御礼であったと語ります。

また、震災前の若者の文化については文化が豊かだと話す参加者も多くいらっしゃいました。レゲエカルチャーなど自分の世界を楽しんでいる方々が多く、長浜でサーマフェスをしたり、サンファンバウティスタ号でオペラもやっていたと語ります。

 

 

休憩のあとは震災以降の文化について、石巻には無いモノが多い例えば、娯楽などが無いから作る価値があり、非日常性を今の石巻では生み出すことができるとYukiaisaime/Videographerのシマワキユウさんは語ります。

 

 

 またCOMMON-SHIP橋通り、短歌部カプカプ部長の近江 瞬さんは文化を仕事にできる人は少なく、一般の人に活動を広げていき活動する人数を増やして行くことが必要だと話します。石巻は文化的な活動を個人で隠れてやっているケースも多く、近江さんも短歌を隠れてやっていてCOMMON-SHIP橋通りで部活動という制度ができ、仲間を探してみると近くにいたということを知ることできたと語ります。

 他にも参加者の方からは様々な意見が飛び交い、とても白熱した話し合いの場でした。世代を超えて話し合う姿は各々の文化的な活動の情熱が溢れ、石巻が今後より一層文化的な街になり、今後の石巻がますます面白くなるのではと思える会でした。

 

次回は02月15日(金)18時から「第5回コミュニティ」を開催します。

是非ともご参加ください。

https://www.facebook.com/events/275590399735633/

2019年02月12日

 

オモシロ不動産大作戦、スタートアップコース第4回の様子をお届けします。

今回のでNPO法人長尾空き家プロジェクトの豊田 雅子さんと、株式会社ココロエの片岡八重子さんの二名です。

 

 

まずは豊田さんからお話をいただきます。初めはNPO法人尾長空き家プロジェクトの沿線から。初めはボランティアとして一人で初め、実際に法人格を取得したのは1年後だそうです。空き家の中には荷物が山ほどありましたが、現地でチャリティー活動である蚤の市を行って片付けを30件ほど実施していきます。そんな中で尾長建築塾を開催しつつ、建築士と一緒に街歩きをして建物の価値を再確認するツアーを15年ほど行っているそうです。

 

 

空き地もたくさんあり、草や野良犬天国でした。こうした空き地は空き地再生ピクニックとして手作りの公園として活用して、緩やかに維持管理をしています。空き家バンクと移住プロジェクトと組んでからは空き家の登録数や移住者がどんどん増えており、尾長山間部などの地域でもどんどん移住者が増えていきました。

次に課題になったのが、大きな空き家物件についてです。小さな街なので、若者の働く場所がなく、観光地への通過点となってしまい滞在する人がいないということが問題としてありました。そんな時に商店街の長細い町家を安く貸してくれる大家さんと繋がり、2,800円のドミトリー”あなごのねどこ”を完成させました。

次に課題になったのは、文化財級の空き家をどうするかです。これについては大々的に資金調達をクラウドファンディングと市の助成金で2,000万円を調達。初めての行政と綿密なやりとりを行い、ゲストハウス”見晴らし亭”として蘇りました。

 

 

次は片岡さんからお話をいただきます。尾長の空き家の設計にずっと携わっている片岡さん。岡山にある大きな文化財級の建物に泊まりバーとしてイベントをして、ここを残したいと思う人を増やすと同時に、資金を募りました。そのうち街の中の何件かの空き家でバーを作り、巡りバーなどへ発展させていきます。石巻にも震災後に入り、滝川さんという料亭を直したりしていました。

 

 

続いて岡山県奉還町4丁目の居場所づくりについてお話いただきました。駅から徒歩15分の寂れた商店街からお話は始まります。岡山市は70万人の都市。お店を営む場所、泊まる・滞在する場所、イベントを開催する場所を狭いエリア内に設計しました。

不動産屋から紹介された空き家の隣のボロボロの空き家を再生させることに挑戦。ゲストハウスの担い手に手を上げてくれた人がいたので、減築ありきで改修を初めます。途中にお披露目イベントを開催します。そこにはたくさんの人があつまり、この場所で良かったということを確信します。2軒目の角の物件を3日間借りてトークイベントを開催します。再度運営組織を見直して、飲食店のラウンジ角をオープン。そこ後近くの空き家でシェアハウスもオープンさせます。担い手の問題などもありますが、出入りしやすいフラットなイベントを行いながらチームビルディングをしてくこともできると思うそうです。

 

 

クロストーク 豊田さん × 片岡さん

(敬称略)

 

 

片岡:人と場所、どちらが先?

豊田:場所から入ってやってきていますが、今となっては面白い人が集まっているので、そこにまた人が集まっているのが今です。

片岡:見晴らし亭も初めは場所があったから始まっていて、お金も人もいないけどというところでしたね。時間と共にかわったことはありますか?

豊田:観光客が増え、かなり露出度が高くなってきました。そのせいか、大手全国チェーンが狙ってきたり、観光客相手の商売をしたい人や、ネームバリューを使っていいとこ取りをする人たちが増えてきました。過日の災害で少しクールダウンしたかと思います。尾道を見直して、Uターンの人も増えて来ています。

片岡:今一番難しいと感じていることは?

豊田;行政の方とも話していますが、目先の利益だけでなく大家さんが賢くなってもらいたいと思っています。古き良き建物を壊して駐車場にしちゃったりしています。

片岡:古いものを残すデザインは簡単だけど、新しいものを作ることは難しいので、新しいことにチャレンジすることの重要性を訴える方々との共存が難しいと思っています。

豊田:大家さんが変わって、家賃がとても高くなるとか、代が変わって都会にいる息子さんが家賃を高く言ってくることがあります。街のことを考える優しい大家さんが増えてくれることを期待します。

 

 

この後は、参加者と共にアイディア出しワークショップを行いました。それぞれ持ち寄ったアイディアを出し合い、豊田さん、片岡さんと共に広げていきました。

次回のオモシロ不動産大作戦は2月18日。発表会は3月9日です!