コーディネーター紹介02 街づくりまんぼう
マンガの世界を開いて、夢を追いかけられる街に
街づくりまんぼうは、2001年設立。石ノ森萬画館の運営や商品開発・販売による収益などを活用し、市街地のにぎわいづくりに取り組んでいます。キャラクターのモニュメントを設置した「マンガロード」の整備などマンガを生かしたまちづくりの他、「トリコローレ音楽祭」といったイベントに年間50本以上取り組み、2021年には国土交通大臣賞を受賞しました。
街づくり事業部の苅谷智大さんにお話を伺いました。
石巻市のシンボル石ノ森萬画館開館から20年で見えたこと
石ノ森萬画館は『サイボーグ009』をはじめ『仮面ライダー』などを産んだ日本を代表するマンガ家、石ノ森章太郎氏の構想の下作られました。毎シーズンごとに企画展も開催し、県内外からお客さんが訪れる場所です。
2021年に20周年を迎えましたが、去年はコロナの影響でイベントができなかったため、今年の2022年7月に21周年イベントを開催しました。その時に仮面ライダーに出演している俳優の小松準弥さんに来ていただいたのですが、実は彼、石巻出身なんです。2001年の萬画館オープン日、彼は小学生で、オープンイベントに来たそうです。その時ゲストで来ていた仮面ライダー1号の藤岡弘、さんに握手してもらったことが、ライダーになりたいと思ったきっかけだそうです。他にも、幼い頃萬画館に行って、マンガ家を目指して、いまマンガ家になった人が仙台にいたり。
こういうふうに、萬画館をきっかけにアーティストや俳優になったという方を見て、もっとそういった人たちが増えたらいいと強く思うようになりました。もともと萬画館をつくる際には、そういった目的も掲げられていたそうです。第二の石ノ森章太郎氏や第二の小松準弥さんのような、マンガやアニメの世界で活躍できる人を育てたい、地域が一丸となって盛り上げていきたいと思っています。
地元から、県外から、もしかしたら世界から、石巻でマンガを学びたいとか、イラストを勉強したいという人があつまって来てくれたらいいですね。
チャンスもある、インスピレーションも湧く、それが石巻
とはいえマンガ家になりたい人は有名な専門学校にいくと思うんです。アシスタントになったり弟子入りする方法もある。そんな中で石巻にくる動機付けが必要です。
実は石巻は、アートやクリエイティブな活動をしている人たちが集まる場所なんですよ。震災をきっかけに石巻に関わるようになって、普段は東京とか別の場所にいるんですけど、ちょくちょく石巻に遊びに来てくれる。いまも芸術祭「Reborn-Art Festival」が開催中ですが、日本中のトップアーティストたちが出展していて、もちろん本人たちもくる。世界中の料理人が石巻に集まることもある。実はいろんなジャンルの世界の第一線の人たちがいて、東京だと会えないかもしれないような人と石巻では高確率で会える。
さらにそこに、石巻の自然環境や食の美味しさがある。そういうことからインスピレーションが沸いたり、自分のクリエイティブな一面が伸ばせるんじゃないか。それがひょっとすると石巻でマンガとかを学ぶ強みになるんじゃないかなと思うんです。
次の挑戦は、夢を追いかける拠点を作ること
もう一つ、まんぼうは、そういったアーティストに石巻に来てもらって、地域との交流を深めながら、まちの活性化につなげていきたいと考えています。なので、マンガやアニメに関連の制作に興味があって、人との出会いを求めている人だけでなく、彼らを受け入れてイベントを企画したり環境を作ったりする人にも来て欲しいなと思っています。
具体的にどういうことかというと、10月の3連休で職業見本市的なイベントを企画しています。例えばマンガ家の方に来ていただいて、マンガ家ってどうやってなるの?ということを話してもらうことを考えています。実際にマンガ家になれる人は一握り。でもマンガを作る世界には編集者がいたり、プロデューサーがいたり、いろんな職業があって、絵が描けなくてもマンガの世界に入れる。声優やイラストレーターもそうですよね。その世界のことをもっとよく知ることで、地元の子どもたちが夢を追いかけられるような内容にしたいんです。
実はいまそういう場所を作る計画を立てています。声優アフレコ教室とかイベントやったり、イベントないときは本を読んだり休憩できる場所を作ろうと。「石巻マンガベース(仮)」という拠点をつくりたいと思っているんです。いまそこの設計を頑張っていて、その場所作りやそこでのイベントの企画を一緒にやってくれる人を今回のワーホリでも募集したいとおもっています。
来年地域おこし協力隊を募集したいと思っていて、もし参加してくださる方が、もっと一緒に続けていきたいと言ってくれたら、そのまま着任につながっていくのもいいなと考えています。