みなさん、こんにちは、石巻市地域おこし協力隊のコーディネーターを担当している三上と申します。コーディネーターとはその名の通り「調整役」なのですが、隊員のサポートを含めて、協力隊全般の活動を支える役割を担っています。
協力隊制度は自治体により、さまざまな運用形態がありますが、石巻市は地域の受入事業者とともに活動する「右腕型」と、決められたテーマに沿って活動を行う「課題提案型」の2種類が存在し、そこに私のような民間のコーディネーターが配置されている点に特徴があります。
では、なぜ私は協力隊のコーディネーターを担当しているのでしょうか?その点について今日は書いていきたいと思います。
実は私も移住者です。出身は宮城県(柴田町)ですが、社会人以降はずっと東京で過ごしていました。転機となったのは東日本大震災です。震災直後の緊急支援期から石巻に入り、気づけばあっという間に時がすぎ、今も石巻で活動をしています。まさか、今も石巻市にいるとは…当時は思いもしませんでした笑。
私自身も石巻でこれまでいろんなチャレンジをしてきました。震災直後は避難所を周り、被災したわかめ漁師さんの家に居候しながら漁をお手伝いしたり、被災地支援のための団体を立ち上げを実施したり、その後はもともとの職業に近いデザイン会社の立ち上げを行い、これは現在も続けています。
このような活動を通して、何かを起こすときにはどのような局面においても人の心、マインドの部分がとても重要であることに気づきました。例えば、事業を立てる際には、その事業で実現したい世界や風景はどのようなものか?いわゆるビジョンを明らかにすることはとても重要な要素になります。
そのような内面を探求する方法に興味が湧き、コーチングと呼ばれる手法に出会い、学校でスキルを学びました。そして、現在はプロコーチとしても活動をしています。そして、内面の探求を深めるために、今も大学で心理学を学ぶ大学生でもあります。
私、個人の願いとしては誰もが”自然に生きる世界”の実現です。その人にとって自然とやりたくなる、ワクワクするようなことがやれる社会が望ましいと私は考えています。協力隊の制度は、こうした私の考え方にも合致するところがあると感じられたため、コーディネーターを担当することになりました。
隊員のみなさんは、最大で3年間という期間の中で、生活環境も、仕事環境も変わる世界に入ります。人生の転機であり、「トランジション」と呼ばれる時期です。
そうした不安定な土台に立つ時だからこそ、改めて隊員自身は生き方が問われることにもなります。そして退任後はどのような形にしろ、自分の生き方を決める必要があります。飛び込むことにも勇気が入りますし、そして飛び出すことにも勇気がいります。その一つ一つの決断に対して、少しでも力になれればと思いながら活動をサポートしています。
隊員が自らの人生を生き、隊員の受入を実施する事業者を中心に、関わる人や地域も豊かになる。そのような風景が見れるように今後も活動をしていきたいと思います。石巻に来た際にはともに、地域おこしをしていきましょう!
▼プロフィール
1983年宮城県生まれ。大学卒業後、上京しITコンサル企業へ。WEB制作会社を経て、フリーランスのWEBクリエイターとして独立。東日本大震災を契機に2011年3月宮城へUターンし、復興支援事業に従事。その後わかめ漁師を経由し、2012年一般社団法人パワクロを設立。活動終了後、水産加工会社の支援を経て、2017年合同会社デザインナギを設立し代表に就任。2021年にコーチングと出会い、2024年「三上コーチングルーム」立ち上げ。震災後の石巻にて、石巻復興未来会議、石巻2025会議などの場作りも行う。趣味はボディビルディング。