はじめまして!新しく地域おこし協力隊に就任いたしました、阿古江 優生(あこえ まさき)と申します。この1月から、「口笛書店」という出版社での活動をスタートいたしました。
スタートした、とは言っても、実は私と石巻との関わりはもう5年目になろうとしています。最初に石巻へやってきたのは2022年3月のこと。大学を休学して参加した「フィッシャーマン・ジャパン」でのインターンが、この街に関わり始めたきっかけでした。それから毎年、理由を付けてこの街を訪ねては、新たに見つけた魅力と、元気いちばで買ったお土産を両手に抱きかかえながら、まさに後ろ髪を引かれるような思いで帰りの電車に乗りこんでいました。

そうして石巻と、大学があった大阪を往復する日々を送りながらも、就職先に選んだのは名古屋の百貨店。きらびやかな、なんでもある世界で、食品バイヤーとして全国を駆け回る日々が始まります。

憧れていた世界だったし、やりがいを感じる瞬間もあった。不満に感じることなんて何も無い。そのはずなのに、私はぼんやりと、石巻こそが自分が充実した日々を送れる場所であって、名古屋はその場所ではないのだと、そう思うようになっていきます。遂には仕事に熱が入らなくなってしまい、気付けば会社を辞め、リュック一つで石巻駅に降り立ち、懐かしい魚臭さを味わっていました。
このときに決まっていたのは居候先と、大まかすぎるスケジュールのみ。3ヶ月インターンをして、3か月旅をして、そして石巻へ戻ってくる、それだけでした。
そうして口笛書店でのインターンは始まって、地域の方々と関わったり、「モーブー祭り」の運営を担ったり、街中の歴史を取材して回ったりと、期待通りの充実した日々で、あっという間に迎えた旅立ちの日。

旅の詳細はここでは語り尽くせないのですが、預金残高とにらめっこしながらめぐったアジア各地の街々で気付いたのは、魅力ある街には「そこでの暮らしを誇りに思っている人がいる」ということ。

石巻に通い、インターンしていたときにはまだぼやけていた移住の理由が、そういう街と人に出会う度に、だんだんと鮮明になっていく感覚がありました。自分にとって石巻もまたそういう街なのです。独自の歴史と、土地の恵みと、それを誇りに思う人たちがあちこちにいる。
それはこの街で生まれ育った人には当たり前で、石巻には「なんにもない」ように見えるのかもしれない。けれども、僕は街にとっていちばん大切なのはその誇りであり、そもそも石巻には魚だって野菜だって文化だって、「なんでもある」と思うのです。
そして、僕の協力隊としてのミッションは、多様な魅力を集めて新たな価値を編み出す「編集」を通じて、石巻が「なんでもある」街だと誇れる空気を作っていくこと。これからの日々で、それに少しでも貢献できるよう、石巻中を駆け回り、魅力を見つけ、伝えていきます。
石巻のみなさま、末永くよろしくお願いいたします!
阿古江優生
株式会社 口笛書店(受入先)
https://kuchibueshoten.co.jp
福井県出身。学生時代に「フィッシャーマン・ジャパン」のインターンを通じて石巻と出会う。大学卒業後、百貨店バイヤー・アジア一周を経験。2026年1月から「口笛書店」にて、地域に点在する魅力を収集し、新たな価値づけをする「編集者」としての活動を開始。
