「私の最近のあれこれ」
【石巻での暮らしとご近所づきあい】
昨年12月に地域おこし協力隊に着任して、もう半年がたちました。関東生まれの自分にはいささかヘビーな冬の寒さを乗り越えたと思ったら、気づけばすっかり緑が繁茂する季節になっていました。
フィッシャーマン・ジャパンに参加し、科学と一次産業をつなぐというテーマを追っている私の、最近のことを少し書こうと思います。
海や山の環境を科学の観点から良くしていくことが目標にある仕事なので、地域の漁師さんや林業家さんのところへ伺うことも少なくなく、たまに作業を手伝ったりと、徐々に「ご近所さん」が増えつつあるのを感じています。
時々、水揚げ品のおこぼれを頂いたりすることもあり、そうした頂き物を自分で食べたり、他のご近所さんにおすそ分けしたりといった、地域の人にとってはごく当たり前のことが、自分にとってはちょっと新鮮で楽しいことだったりします。
おすそ分けをすると、お礼にと別の何かを頂いて、「この前のお礼にあげたのに、またいただいてしまったなぁ」と思ったり。
移住前に少し不安に思っていた「ご近所づきあい」は、自分にとっては案外、ゆるくて楽しいイベントになりつつあります。
【フィッシャーマンだけど山での実験】
水産振興を掲げるフィッシャーマン・ジャパンですが、林業を営む合同会社もものわと協力し、山でも整備や科学調査に取り組んでいます。
そこでは今年から、ある実験が始まりました。


この山では、「バイオネスト」という杉の枝を組んで作る構造物が設置されていて、中に落ち葉を詰め込むことでその葉の分解を促し、良質な土をつくる狙いがあります。ご縁のあった北海道の研究者の方が、その分解の速さに注目し、「実際に速さを検証したい!」として始まったのがこの実験です。
葉っぱが分解されて土になるまでを観測する実験なので、その期間は約2年間と結構大掛かりです。
実験の準備も大掛かりで、バイオネスト含め実験器材を山に設置するときには、地域の学生や協力隊の仲間にも助けてもらいました。


実験で得たデータを分析するためには、山の環境もデータとして取得することが必要で、簡易的な雨量計や木からの落ち葉を集めるネットなども設置されました。
今後は、定期的にこの環境データを観測しつつ、葉っぱの分解具合を分析していきます。(分析は北海道の研究者さんに、専用の機器を用いてやっていただくのですが。)
私の役目は、研究者さんともものわさんとのこの共同実験が円滑に進むようにサポートすることですが、実験の期間とその後の分析なども含めると、協力隊の任期いっぱいをかけたプロジェクトになるので、勝手に自分の研究のように感じてしまうこともしばしばです。

こうした実験や調査を経て、豊かに整備された山林が蓄えた水や養分が、海の生態系に良い影響を与えられるとよいなと思いながら、また試行錯誤していこうと思います。
以上、私の最近のあれこれでした。
永井 颯太
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(受入先)
https://fishermanjapan.com
神奈川県生まれ。大学時代を沖縄で過ごし、農学部を専攻。行動生態学の分野から外来種問題に取り組んだ。林業と自動車開発の経験を経て、自然環境の保全とそれを活かした事業を展開する地域おこしに魅力を感じ「フィッシャーマン・ジャパン」の協力隊へ応募。
