「世界が集まる石巻」
地域おこし協力隊として活動を始めてから、気が付けば半年ほどが経ちました。この半年で感じたことの一つは、石巻には私が想像していた以上に国際交流の機会が多いということです。海外出身の私にとって、とても嬉しく、わくわくする発見でした。

これまで私は、さまざまな国や地域から石巻を訪れる方々の受け入れに関わってきました。台湾出身ということもあり、台湾からの団体をご案内する機会も多くあります。台湾の小学生が石巻を訪れた際には、日本の子どもたちと一緒に獅子舞を踊ったり、昔ながらの遊びを体験したりしました。言葉は通じなくても、気が付けばみんな一緒に走り回って遊んでいて、「子どもたちに言語の壁なんてないんだな」と感動したのを覚えています。

また、台湾の先生方が防災教育の視察に来られたこともありました。台湾も日本と同じく地震が多い地域ですが、防災という分野ではまだまだ学べることがたくさんあります。石巻の経験が海外にも伝わっていくことに、大きな意義を感じました。さらに、シンガポールの大学生たちが芸術と震災復興について学ぶために石巻を訪れ、地域の方々と交流している姿も印象的でした。

そんな中でも特に面白かったのが、アメリカのワシントン大学の学生たちです。
「なぜシアトルの大学生がわざわざ石巻まで?」と思っていたのですが、彼らの研究テーマはなんと海藻でした。聞くところによると、日本人の腸内には海藻を分解できる菌が存在すると言われているそうです。台湾にも海藻を食べる文化はありますが、日本ほどではありません。気になって調べてみたところ、どうやら台湾人にもその菌はほとんどないらしく、私自身も少し驚きました。

ワシントン大学のあるシアトル周辺には豊富な海藻資源がありますが、あまり活用されていないそうです。そこで、日本人がどのように海藻を食べ、活用しているのかを学ぶために石巻へ来ていました。
おかげで私自身も地元の海苔工場を見学する機会をいただきました。黒くてぬるぬるした海藻が、工程を経て一枚一枚の海苔になっていく様子はとても不思議でした。さらに、海苔のサイズが19センチ×21センチで全国共通だということも初めて知りました。
また、日本では当たり前の食べ物である「めかぶ」にも出会いました。台湾ではあまり見かけないため、この冬初めて食べたのですが、あのシャキシャキした食感にすっかり夢中になってしまいました。

国によって文化や価値観、興味を持つものはさまざまです。防災を学びに来る人もいれば、芸術や海藻に関心を持つ人もいます。しかし不思議なことに、石巻を訪れた人たちはみんな少しずつこのまちを好きになって帰っていきます。
そして、もう一つ国籍を問わず共通していることがあります。それは日本の「手洗い付きトイレ」に驚くことです。タンクの上から水が出てくるあのトイレを初めて見た外国人は、かなりの確率で「これは本当に手を洗うためのもの?」と聞いてきます。私自身も最初は驚きました。海藻文化も興味深いですが、もしかすると外国人にとっては手洗い付きトイレの方が大きなカルチャーショックなのかもしれません(笑)。
これからも国内外の方々との出会いを大切にしながら、石巻の魅力をたくさんの人に伝えていきたいと思います。
陳 䒕帆
一般社団法人Reborn-Art Festival(受入先)
http://www.momonouravillage.com/
2025年11月に石巻市地域おこし協力隊に着任。台湾出身。現在は一般社団法人Reborn-Art Festivalに所属し、国際交流や地域とのつながりづくりに取り組んでいる。石巻の魅力を国内外へ発信することを目指して活動中。
